太田裕美をカテゴライズしておきながら、誕生日も知りませんでした。遅ればせながらおめでとうございます。
”黄昏海岸”は前出の”南風-SOUTH WIND-”の次のトラックです。アンサーソングというか、対をなす曲というか、初夏から初秋へと季節が移り変わり、そして恋人たちの心にも秋風が・・・と、CDの曲順の構成にうまさを感じます(単に発表年順だったりもする)どちらかというと太田裕美は夏系の人なのかもしれません。
南風・・で主人公の少年が「君の素肌の誘惑」「目が眩んでしまった」ともうメロメロ(死語)なのに対して、黄昏・・の女性主人公は、夏の終わりとともに、この恋も終るのでは?などと冷静に分析したりしています(大人っ!)
避暑地の恋に 明日はないって
信じたくない そんな伝説
その裏づけにある”伝説”(この言葉のセレクトが斬新。都市伝説などが世にでてくるのはこれよりずっと後。エメラルドの伝説はすでにあった。)について考えてみましょう。
海のない地方に住んでいる人にとって、このロケーションは特別なものがあります。なにしろ海岸な上に黄昏ですから。現実の日常(ああ、あしたも早起きして仕事に行かなければいけないとか、灯油が切れそうでストーブの火力を弱にしてしのぐとか、テーブルの下のさらに雑誌の山の下から出てきたDVDが延滞2ヶ月だったとか)をすっかり忘れて「自分こそがこの世界の中心、照らせ夕日よ私の姿を。」などと倒置法まで総動員で酔えます。
そんな状況ですから、ちょっとしたナンパが運命的な出会いに思えてしまうのですね。つり橋効果なんかと同じです。時が過ぎ舞台の書割が変わると、ふと素の自分が顔を出すのです。これが伝説の正体でしょう。
客観的に自分を見ている主人公の女性は僕に似ています。最後の「時を止めて、ここにいつまでもいたいの」という逃避っぷりもそっくりです。ストーブが消えそうなんで、とっとと寝ます。
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